直帰

ミンユンギとごはんたべたい

好きって当事者だけのものでいいじゃんね〜

 

■いや~それで言うとさ、私もこないだ女3人で飲んでたんだけどさ~恋愛の話になったわけよ

 

 

直帰です。

 

 

■そうですこれは「あんまり人の話聞いてない人のモノマネ」です。

 

 

■「それで言うと」が全然「それ」で言えてない人っていますよね。便利な枕詞だから多用しちゃうけど。

 

 

■こないだ女3人で飲みに行ったのはホント。恋愛の話になったのもホント。いやそらね、まあまあまあまあね、恋愛の話くらいするわね、私だって何もビティエスの話とサルの心理学実験の話ばっかしてるわけじゃないんだよ20代OLなので。

 

 

 

カヌレ食いながらサルの人権(猿権)について話すな。心理学かじりはじめた大学生みたいなイキり方じゃん。イタいからやめなよ。

 

■いややめない。「イタいから」が理由で何かをやめるのってすごい愚かじゃん。他人から見た物差しでしかないじゃん。私はカヌレ食ってようがマドレーヌ食ってようがしたいときにしたい話をするのだ!!!

 

 

■あ、でも昔恋人とフレンチレストランで誕生日ディナーをしてるとき、ふと「なんJって何の略なんだろう?」と思って、それを恋人に聞いたら「今はなんJの話はやめませんか」と言われたことがあるな。マジでそうなんよ。今はやめませんかでしかないのよ。

 

 

■みんなわかった?フレンチレストランでなんJの話はご法度!またひとつ賢くなったね!

 

 

■話を戻そう。こないだ女3人で飲みに行って恋愛の話になった。3人の中の1人が相談に乗ってほしいと持ちかけてきたからだ。「好きな人がいて、わりと長いこと片思いしていて、でも別の女とデキてる気がして、その女も私の友達で、相談乗ってもらったこともあるのにうんぬんかんぬ~ん!」みたいな内容だった。

 

■私は「恋愛で悩む」ということをしばらくしてないので、ウオ~~~恋愛だ~~~!とれたて新鮮の恋愛だ~~~!!!と久々の感覚にふれてワクワクした。その子は私より少し年下だけど、えらくピュアな感覚で恋愛しているんだなあと思った。

 

■するともうひとりが、「で?どういう男なん?」とアイコス吸いながら聞いた。この人は私より少し年上の既婚者だ。お察しの通りワンレン黒髪ロングヘア、口紅はマットな赤である。憧れの人は秋元梢らしい。

 

■いちいち「するともうひとりが」みたいな言い方するのめんどくさいな。なんか呼び方考えよう。

 

 

■甲(ピュアなほう)、乙(ワンレン)、私(直帰)でいいか。よしこれでいこう。

 

 

■甲「ひとつ前の職場が一緒でさ…まあ一応イケメンの部類で…優しくて…会おうって言ってくれるし…でもモテるんだよね…女友達多いし…女の家でしょっちゅう寝泊まりしてるぽい…それ私の友達なんだけど…でも私が会いたいって言ったときはすぐ時間作ってくれるの…うんぬんが…かんぬんで…」

 

 

■おそらく「女の家で」の時点で乙も私も「なるほどダメですね」と思いながら話を聞いていたんだけど、私はすべて本人が望んで選択をした結果だししゃーないと思ったので、わざわざやめときなよとか言うつもりはなかった。言ったところで好きなものは好きだから仕方ないし、やめとけと言われて本当にやめるのって相当ムズいと思うので。

 

 

■しかし乙は違った。一通り話を聞いたあと、アイコスの中身をトントンしながら「ま、自分のことチヤホヤしてくれる存在が珍しいから、そこに依存してるだけじゃない?」と言い放ったのだ。

 

 

■本質のハンマーで人を殺す気か???全部言うじゃん。もうそれが全部じゃん。たった一言でそれまでの色々を葬り去るじゃん。この人マジかよ…と思うと同時に、なんて正直な人なんだと私はこっそり感動した。

 

■いきなり本質で殴り倒された甲は、あー…と言った。そうだよね、これほどまでのド現実を突きつけられたときに出る第一声はあー…だよね。私なら泣いてるかもしれない。

 

■ここが酒の席でよかった。もし甲が泣いてしまっても、場所が飲み屋だとシビアな空気はずいぶん緩和される。料理を出してくれる女将さんからしても、あらあらこの子泣き上戸なのね~と微笑ましい光景ですらある。ここがシラフのお洒落カフェだったらヤバかったな。2対1で女が泣いてる絵面、怖すぎる。

 

 

■甲はしばらく虚無の表情になったあと、「そうかも」と言った。よかった泣かなくて。

 

■そして甲は「あ~もう、好きって言っちゃおうかな~!」とデカい声を出した。

 

■私は「好きって言ったとき、向こうからなんて言われたら嬉しいの」と聞いた。

 

■甲はうーんと唸って、「そりゃ理想は振り向いてもらえることだけど、もうよくわかんないな。0.1%でも可能性があるなら頑張りたい」と言った。

 

■私はめちゃくちゃすげえなコイツと思った。0.1%しか可能性のないことを、私なら絶対にやりたくない。人が腰を痛めて田植えをするのは、秋に米が実るのを知ってるからだ。実るかもわからない米のために、泥まみれになんてなりたくない。無いかもしれないものを追い求める挑戦。すごい。研究職とか向いてるんじゃないのか。

 

 

■後日、甲から夜中に電話がきた。長電話の予感がしたので風呂あがりにかけなおすと「好きって言いました~」の第一声が飛び込んできた。声色からしておそらく嬉しい報告じゃないなと思いながら、どうだったのか聞くと、「うん。はい。って言われました~」とのことだった。予想以上に終わってる返答で笑ってしまった。

 

■それから二人で、眠くなるまで恋愛感情の話をした。10代の夜更かしかよ。手元にカルピスがあったら高校生になっちゃうところだった。

 

 

■好きな人がいるとき、なんで恋人という名前をつけたくなってしまうんだろう。私もよくSUGAさんに対して「世界一付き合いてぇ~~~」とか「結婚しちくり~~~~」という表現を使うけど、本心でもありつつスラング的に言ってるところもある。「本当に私との将来を考えて結婚を検討してください」というより、スキイイイ!とい感情の作品名を「結婚しちくり」にしている感じ。「Yoongi Marry me」ももはやネットスラングだし。

 

 

■好きの価値基準を他人や世間の「普通はこう」みたいなものに合わせにいくと、私はあんまり良いことがない。私と相手との関係性の価値は、私と相手に該当する2人だけが握っていればいいんじゃないかと思う。

 

■見た目とか収入とかものさしはいっぱいあるけど、それらはあくまで要素の一つだ。世間一般からみて優れているから好きになるんじゃない。その人がその人だから好きになるのだ。

 

■自分の好きな人を「友達に自慢できるかどうか」「親が喜ぶかどうか」「インスタに写真載せていいねがつくかどうか」の基準で測りたくない。

 

■こういうこと言うと混同されがちなんだけど、「インスタに写真載せて羨ましがられる私達が最高!」という価値観の人を否定しているわけではない。その人にとっての最高は最高なまま、私の隣の庭で存在している。その人の好きも私の好きも、自分以外の何からも測られる必要はない。

 

■よく「好きという気持ちはあるけど付き合いたいとは思わない、ほんとは好きじゃないんだろうか…」みたいな悩みがあるけど、どうしてその好きは嘘扱いされてしまうんだろうと思う。

 

 

■私はすごく大好きな友達から、好きと言われたことがある。私は嬉しくて、私もすんごい好き!と言った。じゃあ付き合う?と言われて、付き合わない!と言ったら、その日以来、その子は会ってくれなくなった。

 

 

■いや、私もバカじゃないからその意味くらいはわかる。「付き合いたいです」の意味を込めて好きだと伝えたこともあるし。鈍感ぶって思わせぶりをして中身のないモテをかき集めたいわけじゃない。いやモテたくはあるけど。ただ、好きを好きのままにしておけなくなったときって寂しいッスよね~~~って話だ。

 

 

■恋愛感情ってある/ないを断定するの難しくない??愛って絶対もっと複雑じゃない?

 

 

■私はその友達のことがめっちゃ好きだった。マルハン大地真央に「そこに愛はあるんか?」と聞かれたら、ある!!!と即答してたと思う。愛のある/ないを、付き合う/付き合わないのたった一言で、なんで決めなきゃいけないんだヨォォ~~~!!!と思ってしまうのだ。

 

■残念だけど、その人と私の価値観は合わなかったということだ。「好きなら付き合うだろう」という考えの人を、私は否定することができない。否定せず、ただ好きでいることしかできない。

 

■当事者にしかわからない好きを抱える人を、私は嘘つきとは思わない。

 

 

■「いつまでもそんなこと言ってると結婚できないよ~」と言ってくる人達も全然いる。いまだに「売れ残り」という言葉が息をしていることにビックリしちゃう。それはそれで価値観なんだけど、議論にはならないなと思う。だって何を言ってもそこには「売れ残りの負け惜しみ」みたいなフィルターがかかるわけじゃん。マジでカス!!!!!!こんなのディベートじゃねえ!!!!!作り直せ!!!!!!シェフを呼べ!!!!!!!!!

 

 

■何度も言うけど、誰かと関係性をむすぶとき「世間からみてこう」をなるべく取っ払っていたい。全く同じ2人はこの世にはいないんだから。世間じゃなくて「あなたから見てどうなの?」を、私の持つそれとすり合わせたい。それってすごく楽しいことだ。そこに愛がくっついちゃうと、そりゃもう最高である。だから私は色んな人と見せ合いっこするための愛をたくさん持っていたい。

 

 

■いや~~~恋愛の話をしちゃったわね!ホクホク!芋が炊けてしまう!

 

■ここまで読んだあなた、本日の学び、覚えていますか?

 

 

 

■そう、「フレンチレストランでなんJの話はしない」でしたね。よくできました!!!!!

 

 

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お先に失礼します。